今この瞬間も夢が続いています。寝ている時に見ていた夢は今も続いています。
一般的には、脳波がシータ波という状態になった時に私たちは夢を見ていると言われていますが、夢は様々なレベルで起こります。ふとした瞬間、例えばお風呂に入っている時、トイレに入っている時、歯を磨いている時など、体の緊張が抜けた時、突然のインスピレーションを受けた体験等あると思います。内容は、今の知性、頭の中で理解できる形に整理されてはいますが、それは寝ている時の夢と同じだと言えます。
夢の中では様々な体験が起こっていて、今の知性では理解できない事もありますし、この世界で解釈する必要が無い事も起こっています。例えば、自分が夢の中で自分以外の人物や動物等になっている夢を見たことは無いでしょうか?
中国の思想家である壮士の有名な言葉で「胡蝶の夢」があります。壮士がある時、蝶となって空を舞っている夢を見たとき「私が蝶となった夢を見たのか、それとも蝶が私の夢を見ているのか?」という話です。般若心経では「色即是空、空即是色」に通じる見方でもあると感じています。
この世の中は「誰が」「何が」私たちを見ているのでしょうか?この視点から世界を見ていくと、「私」という存在の源が見えてきます。
この概念に関わるおすすめの作品として鈴木光司作「ループ」があります。貞子で有名な「リング」「らせん」(ホラー小説として一般的に知られていますが・・・)と続く三部作の最終章。以前、小笠原に行ったとき鈴木光司さんとに会い一緒に話をしたりしましたが、その時に「鈴木光司を語るなら、ループを是非読んでから」という話がありました。それほどパワフルな作品で、この世のシステムを描いている作品だと感じます。