先日仙台に行きましたが、僕にとって大きな出来事を思い出しました。
その当時、大学四年だった僕は教師を目指していましたが、アメリカへの短期留学やインターネットとの出会いを通して、「教師になるなら社会に出て、社会を知ってからにしよう。社会に出ないと子供たちにそのことを教えることができないし、英語についてももっと知らないと教えられないだろう。」と感じ、教師になることを止めて、社会に出ることを決めました。英語関係の仕事に憧れがあり、アメリカへ行った際に出会ったツアコンの方の仕事の話に大変興味もあり、また親や親戚を連れてアメリカへ行き、ツアコンのようなことを行ったこともあり、その時「よし!ツアコンになろう。」とすぐに決め、本屋に行きツアコンについての本を読みあさっていました。
そして、ある本の巻末にツアコン関係の会社のリストがあったので、片っ端から僕の想いをハガキに書いて送りました。何社からか返事があったのですが、条件が合わなかったりでダメだったのですが、一社仙台の某観光会社から面接OKの返事が来て早速面接に出かけました。
その会社に着き早速面接。担当してくれた方はその会社の次長さんで、僕の話や夢を丁寧に聞いてくれました。そして後日、その会社から内定の連絡がありました。その次の日くらいだったかと思いますが、面接を担当してくれた次長さんから突然個人的に僕に電話があったんです。そして、「富君は本当にこの仕事がしたいの?富君の理想と違う仕事になる可能性もあるよ。もし英語をもっと勉強したいのであれば、いきなり就職するんじゃなくて専門学校に行く等の様々な道がある。人生はプロセスが大切なんだよ。」というようなことを言ってくれました。
僕は次長さんの話を聞いて、自分の道に悩みました。そして、恩師の大学の冨田先生にそのことを相談しました。冨田先生は真剣に僕の話を聞いてくれ、観光会社の次長さんの話をしたところ、「富君は、素晴らしい人に出会ったね。普通に考えても就職先の内定後にそのようなアドバイスをしてくれる人はそうはいないだろうしね。僕もその次長さんの意見に賛成だよ。ある目標を達成するには人には様々なプロセスがある。また今まで体験してきたバックグランドも大切だ。その次長さんの意見も考えて、富君らしい道を選択したらどうだろうか」とのアドバイスを頂きました。僕は焦っている自分の気持ちに気付きました。何も焦ることはない。自分の道は人と比較するものではない。自分で作っていくものだと次長さんと冨田先生の言葉ではっとしました。とても気持ちが軽やかになり、僕にとって非常に大きな気付きになりました。
僕は、すぐに次長さんと連絡を取り、再度仙台に行き僕の気持ちを伝えました。僕は英語をもっと追及するために専門学校に行く道を選択したいという気持ち、そして、これからのプロセスを自分で作っていくことを、せっかく内定いただいて解消するのは失礼なことだと思いましたが、正直に率直に伝えました。
次長さんは僕の言葉を聞いて、まるで僕の父親のように喜んでくれました。そして、僕の道をいつでも応援しているから、困ったことがあればいつでも連絡して、ということまで言ってくれました。僕はただ感謝で胸が一杯で何も言えませんでした。
その後、そのことを冨田先生に伝えたところ、先生も僕の選択を喜んでくれ、先生の奥さんが通ったことがあるという東京の英語の専門学校を教えてくれました。その学校が僕にとって人生を大きく変えるターニングポイントの場所になりましたが、それはまた別の機会にお話させていただきたいと思います。
人生には僕の体験のように影響を与えてくれる感謝すべき存在達がいます。例えもう二度と会うことは無い人であったとしても、その人の意識や言葉は常に今にあります。そして、僕たちはその存在達によって生かされているとも言えます。日々の人との出会いには、例えそれがどんな関係になろうとも自分の道のエッセンスが含まれていると感じています。