シャーマニズムは歴史的に30,000年以上前から伝わると言われている土着的な文化や伝統、思想です。
世界中の様々な土地での自然との繋がりの中で発展している伝統のため、一言でシャーマニズムやシャーマンと言っても千差万別で、その概念や実践は異なります。
シャーマニズムの語源は、ツングースというモンゴルの北のシベリアの土地の民が使っているイベンキという言葉にある「サマン」という言葉に由来すると言われています。
世界の様々な土地で発展し実践やアプローチなども様々ですが、共通しているのが秘儀やセレモニーなど儀式を通して意識を拡大させ、様々な実践を行う事です。この実践を行う人をシャーマンと呼び、その世界観をシャーマニズムと呼びます。
宗教としても捉えられることがありますが、それは伝統によります。ある種の存在との繋がりを大切にするシャーマニズムの場合は宗教的要素があると言えますが、神仏という概念を超えていく実践であれば、宗教的側面を持つ事が不可能になります。
とても古い歴史がありますが、今から500年前頃からシャーマンの伝統は衰退していると言われます。それは、様々なテクノロジーの発展、医療や薬学の発展、政治的側面などが影響しています。
衰退しているものの、現在でも様々な地域でシャーマンの文化は残っています。
日本では神道、修験道、ユタ、イタコ、アイヌ、カミンチュなどの伝統、北米大陸ではネイティブアメリカン、中南米の部族、南半球でもアボリジニやマオイ族、アフリカの様々な地域の伝統、ヨーロッパではドルイドやラップランドのサーミ族等々、世界の各地の伝統の中にはシャーマニズムとの繋がりがあります。
基本的にシャーマンの伝統は秘儀であり、血筋や口伝で引き継がれていくものです。(日本のアニメ「北斗神拳」のようなイメージですね)
しかし、1960年~1970年のヒッピー文化の中でシャーマニズムに火が付き、シャーマンの伝統が民間に広がり始めました。このムーブメントを、本来の秘密的側面を持つシャーマニズムと分けて、「ニューシャーマニズム」や「ネオシャーマニズム」と呼ばれています。
実際はもっと深い歴史がありそれぞれの地域で発展してきたシャーマニズム的文化にはそれぞれの物語がありますが、大きな概要としては以上になります。
意識の拡大を通して行うシャーマンの実践は大きく分けて下記の4つになります。
1.ヒーラーとしてのシャーマン
意識を拡大した視点から、癒しや医療的行為を行う実践です。意識を拡大した世界から目の前のクライアントの状態をチェックし、必要な施術を行ったり、必要な薬を自然界から作り処方などを行います。音楽を使ったり、ダンスをして、そのエネルギーで癒しを与える実践や、ネイティブアメリカンの実践にあるスウェットロッジのようなデトックス的実践もあります。
2.メッセンジャーとしてのシャーマン
意識を拡大した視点からメッセージを伝える実践です。他界した存在と出会いメッセージを伝えたり、精霊やスピリットガイド的な存在と繋がったり憑依させてメッセージを伝えたり、いわゆるアカシックレコードと繋がり情報を伝える実践などがあります。また、自然界、例えば木などに意識を投影させて、木の情報を取ったり、鳥に意識を投影したりなど、自然界のバランスを整えるための情報を取ったりする実践もあります。更には、現代の占い的な実践もあります。
先に解説した、宗教的側面はこの実践と関わりがあります。何らかの存在との繋がりを主軸とする実践であれば、宗教的要素が強くなります。
3.アーティストとしてのシャーマン
意識を拡大した世界をアートとして表現する実践です。意識を拡大した世界を絵で表現したり、歌や楽器など音楽として表現をしたりします。また、意識の世界を建造物や彫刻など物質として表現することもあります。例えば、寺社の形状や、巨石文化で見られるような円形の配置もそうですね。アイルランドのニューグレンジや、アメリカのメサヴェルデ、日本の神道の三つ巴などに見られるような、渦巻き模様もアート的表現です。古の遺跡にある壁画などもそうでしょう。
4.哲学者としてのシャーマン
意識を拡大した世界から、人間とは何か?この世界とは何か?私とは誰か?を問い、理解をする実践です。人間はなぜ存在しているのか?この世界の物質はどのようにして創造されているのか?を「創造の源」、仏教的表現で言えば、森羅万象の源の視点から知る実践になります。意識と体の関係性や、意識そのものや時空や多次元的世界(パラレルワールド)などとの繋がりを味わう実践です。この領域に到達すると、メッセンジャーとしての実践で解説した宗教的側面を持つ事ができなくなります。あらゆる概念から自由になるからです。もちろん、この状態が日常で統合されればの話になりますが。
以上、大きく分けて4つの実践を解説しましたが、実際は4つの実践を様々な形で組み合わせた実践もあります。
また、上記4つの実践のための秘儀やセレモニーも文化や伝統や土地ごとに異なります。様々なアプローチがあるものです。
シャーマニズムの実践は古い伝統でありながら、特殊な実践と言えます。シャーマニズムの秘儀の中には、ヨガや瞑想などのアプローチと異なり、強制的な意識の拡大体験があり、エベレストにスペースシャトルで一気に登頂をするような実践があります。
そのため、実践は強制的ではありますが、その実践を行う前には心身を秘儀に耐えられるように鍛えておく必要もあります。
また、よくシャーマン体質という言葉がありますが、「意識が拡大しやすい体質」という意味で使われていることが多いように感じます。
実際の真のシャーマン体質は、意識を拡大させるだけではなく、心身を鍛錬し精神を研磨した状態であり、「こちら側」と「あちら側」を中心で味わえ、日常と統合されている体質と言えます。また、実際のシャーマニズムの秘儀を体験し、その状態を日常に統合させることができている状態とも言えます。
今回はシャーマニズムの歴史と4つの実践を簡単ではありますが解説させていただきました。
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