意識の旅が始まる。
このシャーマニックリチュアルを体験する前、
僕はスピリチュアルな存在に期待をしていた。
いわゆる、スピリチュアルな存在、高次の存在、スピリットガイド、天使存在とのコンタクトだ。
「そんな存在と出会う事ができたら面白いだろうな」
「色とりどりのエネルギー体なんかが見えたらいいなぁ」
そんな気持ちを持っていた。
意識の旅が始まり、空間が歪み始める。
今まで生きてきた三次元的世界が一つの映画のような、別のストーリーだったような、そんなフィーリングに包み込まれる。
すると、僕の視界の外、両目の周辺視野の辺りから目の前に向かって、徐々に様々な存在を感じ始める。
着物を着ているような存在、羽を広げているような存在、光の存在など、たくさんの存在達が手を取り合って僕の周りを囲い始める。
不思議と目を開けていても閉じていても同じ光景になっている。
そして、ある存在が僕の後ろに来て、一緒に呼吸をしてくれている。
僕は、その呼吸のリズムに意識を合わせて、一緒に呼吸をする。
「あー、呼吸をしていれば、大丈夫なんだ。」
「呼吸が生きる答えなんだ」
という気持ちが沸き上がる。
実は、この存在達が表れる前、僕は死に対する恐怖を感じていた。
意識が拡大するにつれて、心臓の鼓動が高まると同時に、意識が今までは異なり、
自ずと「怖さ」が究極的に沸き上がってきていた。
しかし、存在による呼吸によって、僕は安心と確信を得ていた。
呼吸が答えだった。
呼吸を意識的にしていれば、自分の中心というものとのタッグが強くなり、
大きな木になって、どんな強風が吹いても倒れない状態になれ、満足するという確信を得た。
感謝の気持ちが溢れた。
意識がどんどんと拡大しているのが分かる。
あれ!
次の瞬間衝撃が走った。
存在達と僕という存在が一つに繋がってきている!
「僕自身が存在達を創っていたんだ!」
全ての存在が一つの表現になり、その表現の中に「私」という個も融合しはじめていた。
気付くと、現実的に出会ってきた人全てが自分の表現になっていた。
私は他者であり、他者は私であると知った衝撃的な瞬間だった。