私たちは今いる大きな意義の一つが、古から伝わる言葉「汝自身を知れ」ということです。私たちの本質の正体を知る事が、アプローチはそれぞれであっても、日々の中で、また時空を越えたところで、これを実践しています。そして、自分を知るためには、他者との関わりや関係性がとても大切になります。この世界では、人と人との間で私たちは生きています。自分を知るためには、一人では無理です。
他者との関わりで大切になってくるのが、「誰も傷つけない」ということです。英語では、cause no harm や do no harmという言葉で伝わってきている言葉ですが、文字通り自分の行動や言動で他者を傷付けないという生き方です。私たちの体は本能的なサバイバルな生き方を選択する傾向があり、このサバイバルな衝動から誰かと比較したり、成功や失敗にこだわったり、競争したり、ねたんだり、操作したり・・・安心に生きていきたいがために、また死なずに生きてこれた証もあって、「過去に傷付く事があってもちゃんと生きてこれた」という過去の道標から、傷付くことを価値として人生を展開していくことがあります。しかし、体のサバイバルだけでは、私たちは本当の自分を知ることの逆を生きていくことになり、本質的な自分を知る事ができません。もちろん、そのキズが切欠で、自分を知ることに繋がることもありますが、傷付け合うことを止めない限りは無理です。キズが導くのが悲しみ。この世界は悲しみがあると、簡単に繋がりそれが真実になってしまいます。情報社会の中で、悲しみの情報が本当に多くなっているようです。
私たちは本能的なサバイバルの衝動だけではなく、本質的な「この世界で体験したい!」というビジョンの衝動があります。このビジョンの方向に進むことで、本来の自分の正体を知る事ができます。完全なハーモニー、ユニティ、調和がビジョンにはあります。ワクワクとして、何の葛藤もない人生が展開していきます。もし本当の自分を知るということを意識的に行うためには、大前提として「誰も傷付けない」を実践していく必要があるでしょう。日々の生活の中で、他者に対して行う言動や行動、態度が相手を傷付けていないかを意識して、直接的にコミュニケーションを取ることです。それが結果的に自分を知ることになります。
ただ、「これを言ったら相手は傷付くかもしれないから、言わないほうがましだ。」というのは違います。それは憶測で、自分のブロックを助長してしまう捉え方。コミュニケーションのポイントは「私はこう思うけど、あなたはどう思いますか?」という歩み寄るコミュニケーションです。
いずれにしても、「誰も傷付けない」ためにも、時には面倒なこともあるかもしれませんが、率直なコミュニケーションはとても大切です。
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