期待や執着は私たちの人生の道を収縮させ、不安・嫉妬・妬み・心配・後悔などを生み出すことに繋がります。期待・執着は、見返りを求めている状態で、他者との比較、時間(過去や未来)との比較、そして「こうでなければならない」という頑なな正しさから生み出される心の偏りですね。期待や執着があると、簡単に私たちは傷付きます。
期待・執着が無い状態とは、今この瞬間を生きている状態、今の瞬間を五感と感情(またはそれ以上の感覚)を通して味わっている状態と捉える事ができます。この状態であれば、全てが「在る」「存在している」という状態になり、「何も失うものが無い」「全てはなるようになっている」ということが腑に落ちた満足な状態で納得できます。これを「ビジョン」とも呼びます。
そうは言っても、なかなか期待・執着を完全に止めることは難しいもので、癖になっていたり、無意識や潜在意識に入っていて、思考パターンや行動パターンとして日々の日常の様々な場面で自動的に期待・執着になってしまっているということもあるかと思います。
期待・執着から離れて、本質的なビジョンを生きるためには、日常の中で「今この瞬間」を味わっていく事です。創造力を使って何かを作ったり、運動を意識的にしたり、ヨガや瞑想など集中する実践をしたり、心と頭を柔らかくして柔軟性や工夫心を養うことがキーです。「こうでなければならない」という想いがあったら、そう思うメリットは何なのか?その想いはどこから来ているのか?をあまり深く考えすぎずに触れてみるのもよいでしょう。
ただ、期待することは悪いことではありません。例えば、新しい能力を身に着けたい場合など、できるという期待が必要です。でも、この場合の期待は、他者との比較からではなくてワクワクとした心の奥深くから発している期待ですね。「これだけやったんだから、できなければダメだ」という何か比較が入った期待はまさに執着になってしまいます。